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本当にこれでチャリティ番組と呼べるのか!?

外国人も呆れる"エセチャリティ" 『24時間テレビ』 最大の過ちとは?

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MEMO24時間テレビ
正式名は、『24時間テレビ 愛は地球を救う』。日本テレビ系列で、毎年8月下旬の土日に放送される。今年は、8月29~30日に放送。いまだその意義が不明なチャリティマラソンの今年のランナーは、イモトアヤコ。どうでもいいけど。

 もはや夏の風物詩として定着した日本テレビ『24時間テレビ愛は地球を救う』。1978年の第1回放送から今年で32年目、募金総額は272億円に上るが、その一方で毎年お約束のように囁かれるのが「チャリティ番組なのに、出演者にギャラが出るってどうよ?」という素朴な疑問だ。

 日本テレビは、「基本的にボランティアでお願いしております。しかし、拘束時間の長い方など、場合によっては謝礼という形でいくらかのお支払をしております」(00年11月「放送倫理・番組向上機構」での回答)と説明しているが、実際にはすべての出演タレントにギャラが発生。その総額は2億とも3億ともいわれている。かつて司会に起用された帰国子女の西田ひかるが、「まさか出演料が出るとは思わなかった」と語ったのは今でも語り草だ。

 実際、海外のチャリティイベントで出演料が発生する話はあまり聞かない。アメリカで40年以上続いている超老舗チャリティ番組『レイバーデイ・テレソン』は、コメディアンの大御所で発起人のジェリー・ルイスが司会を務めているが、ギャラは1ドルも支払われない。豪華ゲストも同様で、最近ではセリーヌ・ディオンやテルマ・ヒューストンなどがノーギャラで歌っている。フランスでも、民放の「フランステレビジョン」がこれを真似た番組『テレソン』を、1987年から20年以上続けているが、出演する芸能人は全員がボランティアだ。

 そのような中、日本の『24時間テレビ』は、はたして海外の目にはどう映るのか? 日本在住の外国人記者数人にこの疑問をぶつけてみた。まずは日本在住満3年のアメリカ人記者の声。

「アメリカでもしジェリー・ルイスがギャラをもらっていたら、それはもうスキャンダルだよ(笑)。インド洋津波被災者のために『ツナミ・エイド』が放送されたときも、マドンナやハリウッドセレブが全員ノーギャラで参加していたしね」

 在日5年のフランス人記者は、やや興奮気味にこう語る。

「絶対におかしい! 番組で発生するお金は極力チャリティに使われるべき!!」

まだ来日2年目というカナダ人記者は、「みんな無償で出演していると思っていたからショックだよ。でも本当に? 交通費とかじゃなくて?」と、にわかには信じ難い様子。同番組が日本人のチャリティ精神を喚起してきた点を評価する声もあると説得(?)したものの、 「その考えは通らない。チャリティとはリーダーが手本を示すべきで、本来大金を稼げるはずの多忙な著名人があえて時間を割いて出演するから、一般視聴者にも意識が芽生える。むしろ日本人視聴者がなぜ怒らないか不思議」と手厳しい。

いまだつきまとう番組のさまざまな不透明さ

 これについて「最大の要因はCMの存在」と分析するのは、海外のテレビ事情に詳しいデーブ・スペクター氏。

「アメリカの『テレソン』もスポンサーがつくけど、スポンサー料はすべて寄付されてCMは一本も流れない。でも日本の場合はCMがバンバン流れて、日テレが広告収入を得ていることを全員知っているからね。収益があるのにギャラが出なければ、タレントだって『なんでよ?』と言いたくなる。だからCMをなくして全員が無償という申し合わせを徹底すれば、タダで出てもいいという芸能人はいますよ」

 しかし、CMを流さなければスポンサーはつきにくくなり、番組制作費が確保できなければ今の番組規模は維持できない。どの程度の著名人が無償で出演してくれるかも不透明だ。それで番組が成り立つのか?

「そうなったら、やめればいいんです。構造的に無理があるのに続けるからおかしくなる」(同)

 日本テレビはどう答えるのか? 質問状を送ったところ、たった2行の回答がFAXで送られてきた。

「貴社から書面でご質問を受けましたが、弊社では番組の契約や編成に関するご質問については一切お答えしておりません」(総合広報部)

 なにもタレントの契約内容まで個別に開示してくれと要求するつもりはないし、「国民的チャリティ番組」(日テレ公式サイトより)と銘打っている以上、番組編成に関するいかなる質問にも一切答えないという姿勢には首をかしげざるを得ない。

 折しも今年から、メイン会場が武道館からお台場の東京ビッグサイトへ変更になり、キャパシティはおよそ半分に縮小される。

「徹底した制作費削減が厳命されてるから、会場変更はその一例。控え室のお菓子代まで削られた」(日テレ関係者)と、現場から聞こえてくるのは嘆き節ばかり。

 かつてビートたけしは、オールナイトニッポンで『24時間テレビ』について「ヨダレ垂らした芸能人どもがめちゃくちゃ高いギャラ稼ぐくせに、これ以上貧乏人から金巻きあげんな。チャリティって言うくらいならおまえら全員ノーギャラで出ろよ! コノヤロー!」と吠えて喝采を浴びた。日テレは、今こそ殿の御金言に耳を傾ける時ではないだろうか。
(浮島さとし)

デーブがまだまだ叫ぶ!

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『24時間テレビ』に改革を促すデーブ氏。日テレは、彼をプロデューサーにしてみたら?

『24時間テレビ』が海外のチャリティ番組と違う点は、目的があまりはっきりしていないことですよね。アメリカの場合は筋ジストロフィー患者の支援とか、乳がん撲滅とか、目的が絞り込まれているから趣旨を理解しやすい。だから参加するかしないかも判断しやすい。日本は「とにかく何かいいことに使います」でしょう。それにアメリカの『テレソン』には一年中その問題に取り組んでいる人たちばかりが登場するし、その中には年収何十億円という俳優がいたりもする。『24時間テレビ』の出演者は、大手芸能事務所と局の思惑が複雑に絡み合って決定したりするから、そういう人は番組が終わったらチャリティのことなんて忘れちゃう。実は30年くらい前、『24時間テレビ』草創記の頃に、僕ちょっと出演しているんですよ。当時の番組作りは非常に真摯で真面目でしたよ。だから、原点に戻ることも考えたほうがいいんじゃないかと。だって、数百万円で巡回お風呂カー買いましたっていっても、2本分のCM料金と同じですよ。それならトヨタが最初から提供すればいいって話になりますからね。(談)


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