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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第最終回

【イカ焼き】――物語はついに終末へ。果たして私はイカ焼を食べられるのか?

―― 左に興味深げにじっと見つめる老紳士。右に顔面土砂崩れみたいな露出過剰のエロ女。そんなものに挟まれてイカ焼を食べなければならないのはなんの因果だろうか。

【イカ焼き】――物語はついに終末へ。果たして私はイカ焼を食べられるのか?
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第30回

【イカ焼き】――フィルムを外す手つきはまるで初めて女に触れるようなそれで

―― 偽りの室でひとりだけ色が違って見えた老紳士は視線の銃弾を一発も撃たなかった。と、私は言った。けれどもそれは視線を向けなかったという意味ではない。というか視線という意味では、老紳士は他の室の人たちより、...

【イカ焼き】――フィルムを外す手つきはまるで初めて女に触れるようなそれで
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第29回

【イカ焼き】――そして私は、大坂の地下を彷徨い続ける。

―― 悟りのための智慧が凝縮したような、無のなかで作られた宇宙の始原の始原が掌の中にあることの恍惚と不安に頭が痺れ、周りが、周りの景色が音となって、オーム、オーム、と響いて耳を聾し、周りの音が色彩となって明...

【イカ焼き】――そして私は、大坂の地下を彷徨い続ける。
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第28回

【イカ焼】――そして私は手の中のイカ焼の熱さに戦いていた

―― 長い思索と行動の果て。あるときは懊悩し、また、あるときは神変不可思議としか言いようのない般若の智慧に導かれて新大阪駅構内の元祖・イカ焼にたどり着いた私は、いよいよイカ焼を註文した。

【イカ焼】――そして私は手の中のイカ焼の熱さに戦いていた
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第27回

【イカ焼】――イカ焼のその包装紙に隠された画期的な工夫を文学する

―― 駅構内のイカ焼屋の店構えから、満艦飾、といった感じの宣伝POPについて話していたが、包装紙の工夫について記したPOPのその内容があまりにも特色的で印象深かったのでそのことについてはなして、店構えの話し...

【イカ焼】――イカ焼のその包装紙に隠された画期的な工夫を文学する
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第26回

【イカ焼】――たどりついた店、そこがイカ焼のルーツだった!?

―― 突然、足が勝手に歩き出して抑制が効かなくなり、このままでは足を切り捨てるしかないのか、と覚悟しつつ、しかし足に抗えず歩いてふと目の前にイカ焼屋があったというのはどういうことであろうか。

【イカ焼】――たどりついた店、そこがイカ焼のルーツだった!?
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第25回

【イカ焼】――いよいよ大坂上陸。本能が突き動かすイカ焼屋への旅路

―― 南へ下る道路には避難民があふれ、僕は10トントラックで大阪へやってきた。というのは友部正人の「大阪へやってきた」という楽曲の歌い始めの文句である。

【イカ焼】――いよいよ大坂上陸。本能が突き動かすイカ焼屋への旅路
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第24回

【イカ焼】――冷凍イカ焼のコレジャナイ感……ついに味の再現に立ち上がる時

―― 食うつもりで食われているつもりで食う。そんなことを思いながら私は三種のイカ焼を次々と食べた。いか焼、デラバン、和デラ、である。いずれも、曰く言いがたいモチモチ感とコーティングされた感じ、そして独特のソ...

【イカ焼】――冷凍イカ焼のコレジャナイ感……ついに味の再現に立ち上がる時
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第23回

【イカ焼】――イカ焼を食べた。他の"粉もの"と一線を画するその食感の正体とは……

――  奇怪な海洋生物の女性が教えるところにしたがって、プッシュー、と音がするまで電子レンジで加熱して食したイカ焼の、その味はどんな味だったか。それは間違いなく少年の頃の記憶の味であった。どんな感じかを具体...

【イカ焼】――イカ焼を食べた。他の
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第22回

【イカ焼】――冷凍イカ焼が届く。いよいよ実食のとき……

――  子供の頃はピンポンダッシュということをよくやった。見知らぬ他家の呼び鈴を押し、その家の人が出てくる前に脱兎のごとく駆け出して門前から逃走するのである。

【イカ焼】――冷凍イカ焼が届く。いよいよ実食のとき……
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第21回

【イカ焼】――開放された私は調理済みの冷凍食品すら受け入れるのだった

―― 廃ったものと思っていたイカ焼が実は廃っておらず、隆盛を極めていた。この事実によって私の心は千々に乱れたが、なぜ私はそのように動揺したのか。一晩経って考えてみれば、それはすなわち非常に恥ずかしい思いをし...

【イカ焼】――開放された私は調理済みの冷凍食品すら受け入れるのだった
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第20回

【イカ焼】――タコ焼よりもマイナーなソウルフードと思われたイカ焼に隠された意外な事実

――  いい加減な魂の軛から解放され、無責任で甘ったるい郷愁に浸り、軽田君と入ったイカ焼屋のことを思い出した私は、この記憶の味を再現し、郷愁に浸って涙とか垂れ流してやろうか、いやさ、いっそのこともっとだらし...

【イカ焼】――タコ焼よりもマイナーなソウルフードと思われたイカ焼に隠された意外な事実
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第19回

イカ焼――ネットの地図で地元を見てふと蘇るイカ焼屋の記憶

―― いい加減な魂のくびきから解放されて清々した。しかしこれでやっと人並みの郷愁に浸ることができる。いっぺん小学校の同窓会にでも行って、「俺なんか原宿でサル飼っちゃっててさ」など東京弁で吹かしてみんなに嫌わ...

イカ焼――ネットの地図で地元を見てふと蘇るイカ焼屋の記憶
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第18回

土手焼――土手焼の失敗に魂そのものの脆弱という絶望を知るのだった

――  前の戦の後、あまり言わなくなったが、その前は大和魂ということが随分と言われたらしい。それは日本人だったらだれでも持っている魂で、大体のことは大和魂で乗り切れる、と信じられていた。それほどに大和魂とい...

土手焼――土手焼の失敗に魂そのものの脆弱という絶望を知るのだった
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町田 康の「続・関東戎夷焼煮袋」第17回

土手焼き――折鴨ちゃんの土手焼きに涙し、己の魂を見失うのだった

―― 小説家なんてものはいい加減な連中で、十分にものを考えないで、刎頸の友、なんて書くが、もちろんそんなこと、すなわち、こいつにだったら首をはねられても後悔しない、とお互いに思い合うような友、ということが現...

土手焼き――折鴨ちゃんの土手焼きに涙し、己の魂を見失うのだった
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