
中牟田はNY的処世術を学んだ!レベルが1上がった!
関連タグ : 200908 | 小説 | 長井秀和
<前回までのあらすじ>
本場のコメディと英語を学ぶため、日本に妻子を残し、ニューヨークへ修業に出た芸人・中牟田。いざ、憧れの地へ......と思いきや、出発時の空港で写真週刊誌にとっつかまる。理由は、これから日本で起こす予定の、女がらみの詐欺事件の裁判だった。残してきた"お土産"と、それを引き受ける所属事務所の苦労に思いをはせつつ、中牟田を乗せた飛行機は太平洋を渡る――。
ニューヨークにたどり着いたお笑い芸人・中牟田秀直は、学生寮に住み始めた。現地の事情に明るい知り合いの日本人やアメリカ人の友人もいたが、あえて彼らに頼らずに生活を始めたのだった。最初にある程度サポートしてくれる人がいたのでは、異国の地で暮らすときに経験すべき不都合やら理不尽やらギャップをスルーしてしまうことが多いだろうと、彼は感じていた。
芸人・中牟田の問題だらけのアメリカ留学の巻
関連タグ : 200907 | 小説 | 長井秀和
彼はニューヨークに留学することを、22歳でお笑いを始めた頃から決めていた。理由は極めてシンプルだった。世界に通用するコメディアンになるには、英語圏でのコメディを肌で感じ、腕や経験、コネクションを得る必要があると思ったからだ。
中牟田秀直、37歳。日本でお笑い芸人をやっている、妻子持ちの男である。日本ではすでにある程度名前が知られていたため、突然の海外留学に、世間にはいぶかしがる向きもあった。彼の妻は、以前から聞いていたことだっただけに、特に驚く様子もなく「いいんじゃない?」と軽く承諾してくれたものの、自身の両親には激しく反対された。だが、中牟田は意志を通し、ニューヨークに1年間旅立つことになったのである。



