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2020年1月19日 11:00
2015年3月17日 11:00
ベストセラー作家に向けられた疑惑
故・やしきたかじん氏と妻であるさくら氏の生活を描いたノンフィクション作品『殉愛』(幻冬舎)をめぐっては、限られた取材対象者であることから、発売当初から「捏造」「事実誤認」などの疑惑が噴出した。そんな中、『百田尚樹「殉愛」の真実』(宝島社)が発売され、話題となっている。騒動はついに法廷へ持ち込まれる様相だが……。
『殉愛』(幻冬舎)
関西テレビ界の”首領”として君臨した故・やしきたかじんの死後、関係者の間では訴状が飛び交う事態となっている。これまでの経緯を簡単に説明しておくと、発端となったのはベストセラー作家・百田尚樹が昨年11月に上梓した『殉愛』(幻冬舎)。たかじんが亡くなるわずか3カ月ほど前に入籍したというさくら未亡人の証言をベースに、百田氏が2年間にわたる「たかじん最期の闘病生活」を描いた”渾身のノンフィクション”である。
ところが発売直後から、ネット上でさくら氏の経歴やたかじんが残したといわれる遺産相続にふれたメモの捏造など、本の内容に対する疑問が噴出。さくら氏が天使のような献身を捧げた人物として描かれている一方で、たかじんの長女であるH氏は”金ばかりせびってくる娘”、元たかじんのマネージャー・K氏は”無能で嫌味な人間”として描かれているなど、一方的な記述が過ぎるのではないかといった指摘も殺到した。
もっとも、当初は「よくある芸能人の遺産争い」と思われたこの騒動も、現在は週刊誌的な興味の範疇【1】を超え、大ベストセラー作家である百田氏や、作家を守る大手出版社やテレビ局、それに対抗して疑惑を追及するネットや一部マスコミという対立にまで戦線が拡大している。
『百田尚樹』1956年、大阪府生まれ。大学卒業後、放送作家として『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)などの人気番組に参加。その後、『永遠の0』で作家デビュー。ベストセラーになる。
その動きのひとつとして、最近、ネット民が指摘しているのが、今年2月に発売された『百田尚樹「殉愛」の真実』(宝島社)の販売をめぐる”疑惑”である。某出版社の営業担当はこう語る。
「ツイッターなどでは、大阪の某大手チェーンや九州地方など一部の書店で、『「殉愛」の真実』を店頭に並べないなど、販売に対して後ろ向きな対応が報告されています。確かに百田と仲のいい幹部がいる大阪の一部書店ではそういった動きもあったようですが、ほぼ大多数の書店で扱いが少なかったのは単純に初版部数が少なかったからでしょう。大手取次によっては、事前に注文を取り、配本する手法をとっていましたから、地方まで流通が行き届かなかっただけのようです」
一方で、現場の書店からは「子どもじみた発言や振る舞いもそうですが、ツイッターでの『新刊小説のほとんどは、10年後には消えてるクズ小説。つまり毎年ものすごい量の新刊小説を読んでる人は、大量のクズ小説を読んでる人。あ、もちろん私の小説も10年後には消えてます』といった発言も、書店員の反感を買ったようです」という声も聞こえてくるが、当の百田氏には一向に懲りた様子は見えず、『殉愛』をめぐる騒動でも戦闘意欲は衰えていない。
こうした中、一連の争いは主戦場を法廷に移し始めており、現在のところ3つの訴訟が進行中だ。ひとつは、たかじんの長女H氏が、『殉愛』の発行元である幻冬舎を相手取って、発行差し止めと損害賠償を求めて訴えた裁判。H氏は、百田のツイートが人権侵害に当たるとして、東京弁護士会に人権救済も申し立てている。
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